「おばあちゃんは、今老人ホームだ…。
おばあちゃんの家には、今叔母さんが住んでる」

私の夢を打ち砕くように、お兄ちゃんが低い声でつぶやいた。

「あたし、渚ちゃんの居場所を奪うつもりなんて、全然ないのよ?

お母さんの代わりになろうなんて、思ってもないし」

「なれるわけないよ…」

聞こえるか聞こえないかの小さな声。

でも、悠里さんには絶対に聞こえていたはずなのに、

「渚ちゃんと、友達になりたいの」

聞こえないフリをして、悠里さんは言葉を続けた。