「そんな目で見ないで!」

お兄ちゃんの質問には答えない。答える必要もない。

口を閉じて、そっぽを向いた私を見つめている、困った表情の悠里さんが視界の端に映った。

「結婚するのも、入籍するのも、反対なんかしない。

でも、悠里さんと一緒に暮らすのはイヤ!

どうしてもって言うなら、私はおばあちゃんと一緒に暮らすから!!」

そうだ。
それがいい。

車で片道二時間ほどの離れた場所に住む、おばあちゃんとの二人暮らしも、悪くないかもしれない。

おばあちゃんなら、きっと私を受け入れくれるに違いない。