「なんで!?
私になんて、似合うわけないよ!」

勢いで、そう言っていた。

それは、本気でそう思っているから、口から出る言葉だけれど。

『違うよ』と否定して欲しいから、とか。『カワイイよ』と誉められたいから、とか。

そういう言葉を期待して、わざと言ってるんだと思われたくなくて。

普段は絶対に言わないようにと、心がけている言葉だったりする。

だから早苗の口が開く瞬間は、その場から逃げ出したくなるくらい緊張した。