「まったく、どうしちゃったんだろうね…自分でも分からないわ。分からないけど私はお母さんを殺したのよ。物も言わずにその場に崩れ落ちたわ。銃がよっぽど怖かったのか、あなたは慌てて猟銃を拾って抱きしめた。私は沙耶に命令して二人でお母さんの体を池に落したの・・・自分の母親の体をね。碧あんた本当に覚えてないの?二人して沈んでいくお母さんの影を追ったじゃない。ぶくぶく嫌な泡をたててさ、あの時の水音、今でもはっきり覚えてるわ。あなただけ都合の悪い事全部忘れちゃって…この15年間、私がどれほど苦しんだと思うの?自分の母親を殴り殺して捨てた10歳の子供の気持ちが…幸せいっぱいの碧には絶対分からないわ、分かってほしくなんか無い」
返す言葉も無く碧達は立ちすくんだ。
「私は今まで結婚しなかった…何故だと思う」
静香の質問がわからず碧はただ目の前に立つ親友を見つめた。
「私だってね、これでもよくもてるのよ。結婚しようって思ったことだってあったわ。でも無理なのよ…私はお母さんの子供よ。私にもお母さんと同じ殺人鬼の血が流れているのよ…私の遺伝子を残すわけにはいかないじゃない…。あなたのせいで…あなたのせいで私たちは無茶苦茶よ!だから死んでよ碧!私も一緒に死んであげるから、あなたも死んでよ!」
「ごめんね静香、覚えてないわ…何にも覚えてないの。ごめんね私だけ忘れちゃって静香にばっかり苦しい思い…ねえ教えて、事件の後はどうしたの静香」
和哉達を静止するように銃口を突き出した静香はさらに数歩後ろに下がった。
「私はあんたをそこに置き去りにして、村を出た。遠い親戚を頼って、18歳までは大阪で暮らしたわ。大学にも行きたかったよ。結構勉強だって出来たからね。アメリカに留学して通訳になるのが夢だった…。でもそんなに甘えられないじゃない?碧のお父さんみたいにお医者さんだったらいいけど、お世話になったおじさんはタクシーの運転手よ。殆ど面識が無いほど遠い血縁の私を高校にまで行かせてくれた…夢は心にしまいこんだわ」
返す言葉も無く碧達は立ちすくんだ。
「私は今まで結婚しなかった…何故だと思う」
静香の質問がわからず碧はただ目の前に立つ親友を見つめた。
「私だってね、これでもよくもてるのよ。結婚しようって思ったことだってあったわ。でも無理なのよ…私はお母さんの子供よ。私にもお母さんと同じ殺人鬼の血が流れているのよ…私の遺伝子を残すわけにはいかないじゃない…。あなたのせいで…あなたのせいで私たちは無茶苦茶よ!だから死んでよ碧!私も一緒に死んであげるから、あなたも死んでよ!」
「ごめんね静香、覚えてないわ…何にも覚えてないの。ごめんね私だけ忘れちゃって静香にばっかり苦しい思い…ねえ教えて、事件の後はどうしたの静香」
和哉達を静止するように銃口を突き出した静香はさらに数歩後ろに下がった。
「私はあんたをそこに置き去りにして、村を出た。遠い親戚を頼って、18歳までは大阪で暮らしたわ。大学にも行きたかったよ。結構勉強だって出来たからね。アメリカに留学して通訳になるのが夢だった…。でもそんなに甘えられないじゃない?碧のお父さんみたいにお医者さんだったらいいけど、お世話になったおじさんはタクシーの運転手よ。殆ど面識が無いほど遠い血縁の私を高校にまで行かせてくれた…夢は心にしまいこんだわ」


