しかし、高校では状況が違う様だ。


クラスの中を見回してみると、半分近くの人が携帯電話を手にしている。


男子も女子も。


派手な人も、地味な人も。


中学校では派手な人しか持っていなかった携帯電話は、高校になると誰でも持っていて不思議な物ではないらしい。


しかも、聞こえてくる話し声からして、高校入学と同時に親から買い与えられた人が多い様だ。


私と同じだ。


世間の親達は、携帯電話を持つのは高校生からだと認識しているのかも知れない。


そのためなのか、私は携帯電話を持ったというだけで、何だか高校生になったという実感が沸いてきた。


高校なんて行かなくても良いと私は思っていた。


しかし、実際に高校に入学してみると、やはり嬉しいものだった。


何だか、大人の階段を一つ上った気分なんだ。