第二ボタンと春の風



「だ、だって学校から直だし。
ケイタイないし」

「……うん」


腕で顔を抱えるようにするから、
石井の顔は見えない。


「なんで風邪ひいたの?」

「わかんない。
……お前足は?」

「もう大丈夫。
……あのね、石井」

「ん?」


腕を外してこっちを向いた。


……汗かいてる。

熱、まだ高いのかな。


「ね、熱は下がったの」

「いちおうな」

「明日来られる?」

「うん」

「よかった」


……って違う!
違うの!


私はかばんの中から
こっそり包みを取り出した。

これを渡しに来たんだから……!