第二ボタンと春の風

自転車を2人乗りしてたのは、
勝野と福島。

すっかり見慣れた福島の黒いママチャリの前カゴには、ビニール袋が入っていた。



「相沢浴衣いいなー、俺も甚平着てくればよかったー!」


福島がチリンチリン、と
自転車のベルを意味もなく鳴らす。


「なに、1人?」

「いや、まさか違うし。
ももちゃん待ってるんだ」

「ああ、池田かあ。
安藤は?」


勝野も福島も、
1年のとき安藤と同じクラスだった。

まあ私もなんだけど。


「いつも一緒じゃん」

「安藤はお盆だからお母さんの田舎に行ってる」

「オボン?」

「……佑、
マジかお前。

お盆知らないとか日本人じゃないな」


2人はぎゃいぎゃいとコントを繰り広げてる。