朝になり、私は走って昨日別れ道へと向かった。

少し約束の時間より早く着いてしまったが、待っている時間も、私には楽しく思えた。

でも、約束の時間が過ぎても、彼女は現れなかった。

私は、今まで以上に悲しかった…

その日私は、学校を休んだ。

部屋にずっと、閉じこもっていた。

気付くと、外は暗くなっていた。

お婆ちゃんのいる居間へ行った私は、お婆ちゃんからさっき学校から電話があったと聞かされた。

その内容は、衝撃的だった。

【昨日、太田川 なつさんが学校帰りに、交通事故にあい、今朝、7時半頃に息をひきとった】

というものだった。

7時半といえば、私と彼女が待ち合わせをしていた時間だった。

学校帰りということは、私と別れた後…

何が起きたのか、私は頭の中が真っ白になり、その場に立ちつくした。

私は、学校へいかなくなった。

そのことが、頭から離れなかった…

学校を休んでいた私の家に、心配した先生がきてくれた。


私は、学校へ行く約束をした。

学校へ行っても、一言もしゃべることなく、別にそれといったいじめもなく、過ぎていった。

卒業式を目前に、一人づつ手紙を書くことになった。

発表当日、緊張しながらも、3時年間の思いを語った。

私は、すっきりし、明日の卒業式を楽しみにした。

その帰り、忘れ物に気付き学校へ戻った。

すると、加山先生とばったり会い、色々な話をしながら帰った。

「じゃぁ、明日な」

と、先生と別れた。

私は、いつもより足取り軽く帰っていると、
《キキーッッ》

物凄い音がなりひびいた。

驚いた私は、音のした方へ行ってみた。

そこには、血だらけの加山先生が全く動くことなく倒れていた。

救急車ではこばれる先生を見ながら、私はかける言葉もなく、呆然と立ちつくした。

家に帰り、一人部屋で1年の時のことを思い出した。

太田川 なつさんのことだ。

その日私は、布団の中で静かに泣いた…