体中が痛い、動けない。 目も開けない。 でも、そんな中。 耳は少しだけ、働いていた。 先生や友達が、私の名前を何度も呼んでいる。 救急車のサイレン音が、小さく聞こえた気がした。 「……ん!!…奈……ん…!麻奈ちゃん…!!……」 …もう、駄目だ。 何も聞こえなくなってきた。 意識が遠退いてゆくのが、はっきりと分かる。 「麻奈、麻奈…、麻奈…!! 麻奈ぁぁぁあ!!!」 私が最後に聞いたのは、 親友の悲痛な叫び声。 あぁ……、 私はここで、 死ぬんだ。