ケイカ -桂花-

行った時と同じスピードで宮崎は戻ってきた。

だから早いって、そんなに息切らして。

「炭酸とそうじゃないの、どっちがいい?」

「炭酸、がいい」

のどカラカラだし、すっきりしたいし。

「コーラとペプシ、どっち好き?」

それ、ほとんど一緒じゃん。

「ペプシ、かな」

「じゃあ、じゃあ、ノーマルペプシと、ネックスでは?」

「うーん、ノーマル?」

「よしっ!!」

大げさにガッツポーズを作ると、隠すように抱えていたペットボトルを私に差し出した。

そして、ベンチに座って息を整える様にフーっと息を吐くと、腕の中のもう一本を私に見せた。

「うそっ」

私の手の中にあるのも、宮崎が手にしているのも同じ、ノーマルペプシだ。

マジックみたい。