ケイカ -桂花-

「じゃあ・・・」

勝利の快感のまま立ち去ろうとしたが、ちょっと待って。

私が勝ったのに、おかしいじゃん。

お前がどっか行けよ。

私が先にここに居たんだから。

キッと睨みつけてみた。

愛人は、リビングで見た眠そうじゃない方の目で私を見ている。

睨んだダメージが無いばかりか、ちょっと楽しそうにも見える。

見るなよ、そう言おうとしが、あいつの方が先に口を開いた。