口元だけじゃなく目にも嬉しさを浮かべ、手にしたお札を数える。

「さんきゅっ」

まだ笑顔のお母さんに、お札をヒラヒラさせて喜んで見せた。

うん、ここまでは大丈夫、あと少し。


「いってきまーす」

いつもの様にてきぱき洗い物を始めるお母さんの背中に、声だけを弾ませて玄関を出た。



よし、完璧!

今回もうまくやれた。