ケイカ -桂花-

『そんなことにはならない』

「だから18までに洗脳されて、お金の為に利用される」

『分かってるよ、全部』

Dの声は冷静だった。

『利用なんてされない。私が利用してるだけだし』

「どういうこと?」

『あそこには私の居場所がある。何でも話せる友達がいる。あそこには、孤独の恐怖も、不安もない。唯一あそこだけが私の心を満たしてくれる』

「だから、騙されてるだけだって」

『騙されてるわけじゃない。言ったじゃん、分かってて利用してるって』

「利用ってなに?宗教自体は信じてないって事?」

『あったり前じゃん。楽しいからいる、それだけ。多分あそこにいる子達みんなそうだよ。ただ寂しいだけ』

寂しいだけ、その言葉は心に刺さった。

だけど、どうしても腑に落ちない。

何かが引っ掛かる。

それが何なのかは上手く言葉に出来ない。