ケイカ -桂花-

一睡も出来ないまま朝を迎えた。

すっぽりかぶった布団の中で、宮崎とケイが交互に浮かんだ。

2人共を失ったのかもしれないという恐怖と、まだ何とかなるという希望が闇の中で戦っていた。

決着なんてつくはずがない。

昨日の全てを引きずったまま、学校へ向かった。

さすがに2日連続では休めない。

私はまだ中学生だから。


「おはよー、ハナちゃん」

「お、はよ」

あれ、うまく声が出ない。

「朝からまじ最悪ー」

毎日Aの口から吐き出される言葉、いつもどうやって返してたっけ?

「・・・え、えーー」

で、いいんだよね?

チャイムが鳴るまで、えーー、と曖昧な笑顔でやり過ごした。

楽なはずの友達グループが、苦痛に感じた。

普通の友達は辛い時、支えになったり救いになったりするけれど、私達の場合は逆なんだ。

たまらなくウザイ。