ケイカ -桂花-

「私のせい?」

「なっ・・・」

オヤジの動揺で、そうなんだと分かった。

「私がケイの店に出入りしてたから、警察が動いて、ケイが追い出されたんでしょ?」

「いや、警察は動いてないぞ」

「じゃあ、そうなったら困るから追い出されたんでしょ?どっちにしたって私のせいなんじゃん」

「・・・」

オヤジは否定の言葉を探しているけれど、出てこない。

この男も嘘がつけないらしい。

「ケイは、ハナの事ばっかり話してたぞ。それはそれは嬉しそうに」

過去の事を懐かしむような顔が無性にムカつく。

まだ過去なんかじゃない、絶対にそうはさせない。

「で?」

「ハナが好きだったんだろうな、大事に思ってた、と思うぞ」

「じゃあなんで何にも言わずにいなくなるんだよっ?そうだよ、なんでオヤジには電話して、私にはメール1つも・・。
大事なんだったら・・・」

オヤジの事が世界で一番好き、なのは別にいい。

勝負する気もないし。

だけど、友達じゃん、ケイがそう言ったのに。