ケイカ -桂花-

翌朝、いつも通りの時間に家を出た。

だけど、いつも通りには足が動かない。

学校に行きたくない。

正確には、宮崎に会いたくない。

結局、昨日ひと晩かけて分かったのは、宮崎が好きで別れたくない。

だけど、見なかった事にも出来ない。

それだけ。

だから、どうすればいいのか、宮崎に何を言えばいいのか、何の方向性も解決策も見つかっていない。

見慣れた道を、迷子みたいに歩く。

こんな時の為の公園だったけど、さすがに足は向かない。

となると当然ケイの所だが、昨日あんな別れ方をしておいて、のこのこ行けないし。

とりあえず着替えよう。

通学時間が過ぎた街中で、制服は目立ち始めている。

習慣みたいに持って出た私服に着替えた。