ケイカ -桂花-

ドアを開けると、生ゴミみたいなもわっとした匂いが私を迎えた。

「おじゃま、します・・・」

誰もいない部屋に小声で言って足を踏み入れた。

コンロが1つだけの小さなキッチンの付いたワンルーム。

私の部屋よりは広いけれど、足の踏み場が無いくらい物が散乱している。

この匂いか。

玄関を上がってすぐの所に大きなゴミ袋が5つ程積み上げられていた。

ゴミくらい捨てろよ、ケイ。



「先に私の部屋帰ってて」

ケイはそう言って部屋の鍵を渡した。

家には確かに帰りたくない。

ケイの店で働いてもよかったが、それには体が疲れすぎていた。

だからその言葉に甘えた。

ケイの部屋は、いつも着替えをする駅の近くのコンビニの上にあった。

何度もここの前を通ってたし、コンビニにも入ったことがあったが、ケイが住んでいるなんて全然知らなかった。