早百合に会いたくて、休日なのに彼女を無理矢理呼び出した。
その上、夕飯を作ってくれだなんて。

てっきり断られるかと思ったけど、あっさりオッケーだった。

これぞ“棚からぼた餅”。


さらに、早百合に自分の生い立ちを話してみた。

これは賭だ。
少しでも距離を縮めたくて、中学生の初恋のように舞い上がっていた。

避けられるだろうか。
はぐらかされるだろうか。

不安で仕方がなかったが、早百合は動じなかった。

―――嬉しかった。

受け入れてもらえた気がした。

こんな風に思うのは初めてで、自分の居場所すら決まった気がした。