類は意識が突然戻って、

目の前にいる人をじっと見ていた。


「えと。類?だよね。大丈夫か?」


短い金髪をキレイに立てたヒト。

かわいい感じに整った顔

覗き込む瞳の色が、

黒、というより緑に見える。


「誰?」


「うん~そうなるかな。

オレはたまたま廊下を通りかかった、

ただのいちボーカリストのユウヤです」


にこやかに、面白そうに彼は言った。

どうやら自分は控室に寝ているらしいことに

類は気づいた。



「もしかして、

あたし、

また階段から落ちそうになってた、

とか?」


ユウヤは、ニンマリと笑った。


「いや、オレが気づいた時はすでに

落ちるとこで、オレは助けるの間

に合わなかった」