(side隼人)


「おい」


目の前の女に声かけると女は泣きそうな顔して銃を俺に向けた。


「おい。俺はお前を殺そうなんて微塵も思ってねぇよ。ほら」


俺は持っていたナイフを彼女の一メートル先くらいに落とした。


「足…真っ赤だぜ?…医務室までついてやってやるよ」


女は驚いた顔をしてゆっくり口を開けた。


「…別に着いて来てくれなくても大丈夫…」


「狙われるぜ。その足じゃ」


ビクンと肩を揺らす彼女。

顔を俯かせて呟く。


「どうして…そんなに親切してくれようとするの?」