…目の前に飛び込んできたのは、飛行機がビルに追突する瞬間でした。

「え?映画?」

 アリサも、アリサのお母さんも、目をぱちくりしています。

「こんな時間に、こんな映画やるなんて、どこにも書いてないわよ」

 アリサのお母さんは、テレビ欄を何度も何度も見直しています。

「でも、飛行機がビルに突っ込んだんだよ、お母さん。こんなの、現実にあるわけじゃないじゃん」

「そうよね…。戦闘機ならまだしも、普通の旅客機だものね」

「きっと、番組が急に変更になって、映画に変わったんだよ」

 そう言いながら、アリサの胸の中は、不安な気持ちでいっぱいでした。