「そっか」

悲しそうな顔で俯くお父さん。


嘘…ばれてるよね。
でも、嘘つかなきゃいけないときがあるんだ。


「空が帰ってきたら…」

「家に行こうか」


家…あの大きくて広いとこのだよね。


「うん」

「じゃ、皆のとこ…」

「待って」


お父さんの腕を掴む。
無理して笑わなくていいから。


「あとで、二人で話そう」


今はそれしか言えないけど。