要は、ずんずんと前に進む。

どこに行くんだ。
外へと出ると、要はさっきよりも腕を力強く引っ張っていく。

「ねぇ」

「もうすぐ」

公園?

要は自分をブランコに座らせて、要も座った。

…何なの?

「…見ろ」

空が一気に輝いた。
綺麗…だ。

見たことがない空で、綺麗すぎて言葉が出ない。

「すっげーだろ」

「うん」

要の頭を優しくぽんぽんと叩いた。

寝癖がすごい要の髪。
猫みたいな感じかな。

「ありがとう」

「…南、話したいことあんだけどさ」

「ん?」

「あ、やっぱ今はいいや!」

要はすぐに笑って、自分の頭を撫でてきた。