「南ィィ!」

俺は今、旗を持って南を探し回っている。

こんなことになったのは、今から10分前。


―10分前―

仕事から帰ると、リビングにも部屋にも天井にも空にも…南がいない。


テーブルの上に置き手紙があった。


【心配しなくていいから。すぐ帰ってくる】


俺はそれを見て、安心をした。

良かった。吉田のことが嫌いになって俺のこと好きになったけど、伝えられず家出しちゃったのかと…


ソファーに座って待つことにした。

―2分後―


「やっぱ無理っ!!」

俺は旗に文字を書いて、急いで南を探し回った。

そんで、今はこんな感じ。

「あああ…南ぃぃ…」

携帯が震えた。

電話?

「もじもじぃ…」


《くっ…あはははは!》


「えっ、南!?」

《あーもう、ははははははは!》

大笑いをしている南の声が聞こえる。


マジ、南!?