予想通り、驚かなかった。
せっかく教えてあげたのに。

「あーあ。次はどんな作戦にしようかなぁ」

…そうだ。さっそく使おうかな?


「あ、僕だけど。今ならチャンスだよ。早く捕まえなきゃ逃げられちゃうよ?」


面白い展開にするには、役者を用意しなきゃね。


僕は電話を切って、笑った。

「どんどん逃げろ、うさぎさん♪」

逃げて逃げて、捕まえられて。
そしてね?


僕とのハッピーエンドを迎えようか。


僕は一枚の写真を取り出した。
ライターの火をつけて、燃やした。


「僕は汚い手を使っても手に入れるから。待っててね、宮沢さん♪」