ただ今、駅前。
12時50分。

間に合った。

凜ちゃんはまだ来てない。
キョロキョロと辺りを見回す。

(まだ余裕あるなー。)

手持ち無沙汰なので

なんとなくお店のガラスで髪を直してみる。

「おい。」

「………。」

「おい!」

(誰かが誰かを呼んでるみたい。)

「……。おい!」

(呼んでますよー。誰かさーん。)

「おい!そこの女!」

(怒ってるみたい。早く気付いてあげたらいいのに…)