仁志は意地悪だ。

私達の関係を教えてくれても良いのに。

しかし、その事を聞いて安心している自分に嫌気がさした。

まるで仁志の犬だ。

何も分からないが、ご主人様に付いていれば、生活出来る飼い犬。

荷物を整理していると、見たことのない、小さなケースがあった。

「何かしら…」

開けてみると、ダイヤの指輪だった。

私のなの…?

ドキドキしながら、左手の薬指にはめてみた。

すると、ぴったり指に収まった。