そして続投したが、結局サヨナラ負けに終わった。 更に、裕太の指が動かなくなってしまった。 もう彼は永遠に投げられくなった。 裕太は県を代表する将来有望なエースピッチャーだったのに。 仁志は裕太に土下座して謝った。 『裕、全部俺のせいだ。申し訳ない』 『―いいよ。結局は僕の意思で投げたんだ。仁志のせいじゃない』 『悪いのは俺なんだ。裕の大事な指より甲子園出場の欲望しか目に入っていなかった。もう俺は野球をやる資格なんかない』