「失礼します」


そう言って総務に入るものの…


えっ???誰みたいな顔をされる。


いいもん…


別に…



あたしはそんな視線を無視して由梨に頼まれた人の所まで歩く。



「すみません…会計の宮内の代わりに来たものなんですが…」


すると、


「あぁ杏ちゃんだよね♪ありがとう☆」



えっ…



「名前覚えてて…下さってたのですか…」



あたしはびっくりした。



だって…名前を知ってる人なんて今までいなかったから。


「あぁ覚えてるよ!またこの資料渡しといてな」



そう言ってニコッって笑った。



この人は総務の宣伝部長を勤める高辻さん。