彼女の嘘と俺の嘘



 年齢詐称……サキに最初についた嘘だった。


 もし、サキが小説を読んで、たいしたことないなと思っても高1ということならばガッカリされることもないし、面白いと思ってくれたら“若いのにスゴイ!”と尊敬される。


 たったそれだけの傲慢な理由でおれは嘘をついた。


サキ> 年下なのかぁ~


シバ> 年下は嫌?


サキ> そんなことないよ。でも、いままで年上の人としか付き合ったことないな


シバ> いま彼氏はいるの?


サキ> いないよ。別れたばかりなんだ