彼女の嘘と俺の嘘



 文字を打ち込んだあとで“しまった!”と思った。


『ぼく?!“おれ”より“ぼく”のほうがシバに合ってるね』


シバ> じゃあこれからは“ぼく”のほうを使わせてもらいます。


 すぐサキに指摘されておれは冗談で軽く流したが、冷や汗ものだった。


『ところで“ぼく”は昨日の約束覚えてる?』

 サキは“ぼく”の部分を強調してからかう。


シバ> 覚えてるよ。サキの顔写真のことでしょ


『催促してこないから忘れてるのかと思った』