サキが頼れるのは、可哀相にろくでなしのおれしかいないのだ。 暗闇の中で一人寂しくしゃがみ込むサキの後ろ姿が頭に浮かんできて、胸が締め付けられる。 少しでも力になってあげたいと思うのは思い上がりだろうか? この感情が本物なのか偽物なのか自分でも判断が難しい。 おれの心を突き動かすものの正体がわからないまま、難治性のうつ病についてネットで調べてみた。 お医者さんが個人的に書いているブログ、大学病院のサイトなどを見ていくうち、おれの気持ちは沈む。