ボンは俺のペット。



うちはボロアパートだから、猫を飼っちゃいけないのに大家が「こんなボロ屋好きに使え」って猫の入居をOKしてくれた。



ボンは元々野良だったけど、いつの頃からか自然と俺に懐いて、家の前から離れなくなっちまって……



気付けば、俺よりも堂々とこの部屋に居座っていた。



「にゃ〜」

「ん?トイレか?」



窓を少し開ける。


ボンは器用にベランダから屋根へ飛び移ってトントントーンと、地面に着地した。


そして俺は窓の外の空を見上げて大きなため息をついた。