「名前?」



「そうだね、名前……さぁ、お嬢さん俺の名前呼んでごらん?」



え?あたしがここで、先生の名前を?恥ずかしいから!



王様ゲームよりも恥ずかしいかも!名前呼びなんて……



「どうした?俺の名前知らないなんて事お嬢さんならないよね?」



あたしの顔が真っ赤になるのを楽しんでるかのように、先生は急かず。



「お嬢さん?……名前呼べよ」



「し諸遠、さん!」



先生の低い声にあたしは、ヤケクソとばかりに名前を呼ぶと、クスっと笑ってあたしの頭をポンポン叩く。



ヤバいよ!今の先生軍服だから、いつもの倍かっこいいよ!


いつもかっこいいけど……



「ご褒美ほしいか?」


「え?……っ」



あたしの答えを聞く前に、先生はあたしの髪を撫でるように掴んで、そっとあたしの髪に口づけした。



あたしの顔を見つめながら軽くウインクして、先生はまたにっこり笑う。



あたしの心臓は、もうドキドキが止まらなくなっていた。