夏真っ盛りの8月中旬。


アタシはお盆だからおばあちゃんの家に行く

でも片道3時間

ずっと座りっぱなし…

辛いです…


「んーーー!!やっと着いたーーー!」

「長かったわね…お尻イタイわ…」

「幸ちゃん、怜ちゃんいらっしゃい」

「「おばーちゃん!」」


アタシもお姉ちゃんもおばあちゃん大好きっ子だから

道のりが長くてもこうして毎年、会いに来る

とりあえず荷物を部屋に運んで、スイカ食べて

近くの川で冷やしてあった野菜を取りに行く


「つめたー!!」

「きもちーね!」


なんかこうしてると田舎もいいなーって思っちゃうのよ

アタシが住んでるところはまぁ関東とかからすれば田舎だけど

ここよりはずっと都会だから

コンビニもあるしね


「あー!」

「?!何よ!いきなり大きな声だすな!」

「椿に電話しなくちゃ!忘れてた!ちょっとかけてくるね!」

「あ、こら!幸乃!……行っちゃった…」


川から少し外れて木の陰に座る

ポケットから携帯を取り出して履歴から椿の番号を選んで通話ボタンを押す

えーっと今3時だから…おやつ食べてるかしら?

それともーお昼寝中かな?

お昼寝中だったら電話したらマズイかも!

ドキドキしながらかかるのを待ってるけど一向に出る気配はない

てか、あのトゥルルルーって音も聞こえないし…


「ん?え、嘘!電波立ってない!」


ディスプレイを確認すると電波が1本も立っていなかった

去年までは1本くらい立ってたはずなのにー!!

場所が悪いのかな…?

でもこれ以上行くと帰り道わからなくなりそうだし…

…………

………

……

電話は諦めますか…

ごめんね、椿…