桜の花が舞い散る春。
ガラガラと窓を開けると、春の澄んだ空気がふわりと舞い込んでくる。

「んーっ!今日もいい天気だぁ!」

背筋をぐっと伸ばして、胸いっぱいに空気を吸い込む。

「おはよう、幸乃。」

「あ、おはよー!椿!」

空を眺めていると、隣の家の窓が開いて知った顔が見えた。
小さな欠伸を一つして、私に笑いかけた。

「今日から新学期だね」

「えぇ。同じクラスになれるといいわね、今年も!」

「うん。」

「じゃ、また後で迎えに行くから。」

「待ってるね。」

お互い窓を閉めて、学校の準備を始める。


私の名前は冬柴 幸乃(ふゆしば ゆきの)

誕生日は十二月二十四日、クリスマス・イヴ生まれ。

どこもかしこも標準、基準な私の幼馴染がさっきのカレ。