KEEP OUT!!


 あぁそういえば。

 わたしが絵を描くようになったのもこのときがきっかけだったっけ。

 ひとりでお絵かきしてた八重ちゃんのところにいって、

「ねぇねぇ、何かいてるの?」

「あ……」

 急に声をかけられてびっくりしたのか、描いていた手を止める彼女。

「あ~あ~びびっちゃってるじゃんか、さち~」

「あ、ご、ごめんね?」

 亮平の言葉に慌てて謝ると、八重ちゃんはさらに瞳をまん丸にさせた後、

「ん~ん。ちょっとだけびっくりしちゃっただけだよ」

 ふうわりと微笑んだ。

 その笑顔に、わたしは一瞬で恋に落ちたのだ。

 え?

 いやいや、変な感じにはとらないでね?

“そっち”じゃないから、わたし。

 そういう意味じゃなくて、ね。

 うん。

 とっても強く「友達になりたい!」って思ったのだ。

「わたしね、つきぐみのさちっていうの」

「さち、ちゃん?」

「うん!」

「わたしははなぐみの、やえ」

「やえちゃん?」

「うん」

 お互いに「えへへ」と照れ笑い。

 なんだかくすぐったくて、でもほわほわとあったかい感じがして。

 と、仲間はずれにされそうだった亮平が、

「おなじくつきぐみの、りょーへいだ・ぜ!」

 何かのヒーローっぽいポーズで自己紹介。

「なにそれ?」

「しらねぇの!?」

「あ、わたししってる。チョイペペマンのきめポーズだよね」

「お、やえすげぇ! さち、おっくれてる~」

「うっさいわね」

「はっはっはっはっ」

「うふふ」

「もぅ……っぷ、あははっ」

 あんまりにも楽しそうにふたりが笑うものだから、つられて笑うわたし。