物心ついた頃にはもう、そばにいた。
「さち~あそぼ~」
「クッキー3つでいいよ?」
ちっちゃい頃はまだいろんなことに差がなくて、一緒にいることに違和感なんて感じなかった。
鬼ごっこも、ままごとも、すべり台の順番の取り合いも、ブランコをどれだけ高くまで漕げるかの競争なんかも、当たり前のように一緒になって遊んでいた。
ときには取っ組み合いのケンカだってしたことがある。
幼い時期は女の子の方が成長が早く、よく亮平を泣かせては幼稚園の先生に叱られていたものだ。
八重ちゃんと出逢ったのはその頃。
確か帰宅の時間だったかな。
ほとんどの子たちが親に手を引かれて帰っていく中、帰る準備をする様子もなくひとりでお絵かきしてて。
他の子と同じようにお迎えがきて帰ろうと思ったわたしの目に、そんな彼女の姿がふと目に入った。
そのときのわたしは何か深い考えがあったわけじゃない。
ただ、どうしてか、彼女ともう少し遊んでいたい気持ちになって、
「ねぇ、ママ。あのコともすこしあそんでもいい?」
そう、おねだりしたのだ。
ママは最初困ったような顔をしたけれど、先生と少し話しをした後、
「じゃ、少しだけ、ね?」
そう、やさしく微笑んだ。
「うん!」
「あ~さちずるい! ボクも~!」
ウチと亮平の家のお迎えは交代でどちらかの親がくるようになってたから当然亮平も一緒になって遊ぶことに。
これがわたしたちが仲良くなる最初のきっかけ。


