自分のことを多くは語らない叔父さんだけれど、きっとたくさんの出来事があったに違いない。
だからこんなにも言葉に重みがあるのだ。
今はまだ、それらの出来事を聞いて受け止めることが出来ないけれど。
でもいつか、それが出来るようになったなら、尋ねてみよう。
もしかすると、叔父さんはそれを願って、わたしたちにこの話をしてくれたんじゃないだろうか。
だからわたしたちはお互いの手をつないで、
「大丈夫だよ」
「私たちはもう変わることを怖れたりなんてしないですから」
新たな誓いを立てるようにして、力強く声に出した。
うん。
だってそのためにここにいるのだから。
「そうか……」
少しだけ、叔父さんは微笑んだ。
その期待に応えるためにも、たくさん、たくさん輝こう。
変わっていこう。
「さ、着いたぞ。急いで」
空港の入口前で車は停まった。
「ありがとうね、薫叔父さん」
「いってきます」
「あぁ、いってらっしゃい」
そのやり取りは少しだけ場違いだったけれど、今のわたしたちにはこの言葉の方が合っている気がした。


