急いでマンションの外に出るとすでにスタンバイしていた叔父さんが窓を開け、
「あまり時間がない! 早く乗りなさい!」
腕時計で時間を確認しながらうながした。
「うん!」
「はい!」
そしてわたしたちが後部座席に乗り込むと同時に車は走り出す。
「間に合いそう?」
「ギリギリだがな。なんとかするさ」
「すみません。御迷惑をおかけします」
「なに。たまにはこういう役回りも悪くはないさ」
渋く決めた叔父さんはニヤリ、と笑っていつものように無精髭をじょり、とこすった。
アクセルを踏み込んだ車はいくつもの車を追い越し、景色を置き去りにする。
八重ちゃんとわたしは時おり激しく揺れ、とんでもなく横に振られる身体を踏ん張ったり取っ手につかまったりしながらこらえた。
どのくらい走っただろうか。
ふと、歯をくいしばるわたしたちに叔父さんが前を見据えたままで話しかけてきた。
「ふたりとも、どうして青春時代ってやつがひときわ輝いてるか、知ってるか?」
あまりにも唐突な話で、思わず顔を見合わせるわたしたち。
信号にかかり、車がゆっくりと停車する。
つかの間の休憩に身体の力を抜くのを見計らって、叔父さんは話を続けた。


