その文面を目にして思わず大声を上げる。
「どした?」
「ちょっと、冗談でしょう?」
食い入るように携帯を覗き込むけれど、そこに書いてある言葉が変わるはずもない。
なんと八重ちゃんから送られてきたメールには、ひとこと「ごめん。無理」とだけ書いてあったのだ。
「どういうことよ!」
なんで?
どうして?
「どうしたんだよ、八重、なんだって?」
わたしの慌てっぷりにただならぬものを感じた様子の亮平が、わたしの携帯を取り上げようとしたとき、
──ビリリリリリィィィィィ!
とうとう鳴り響く入線のベル。
ど、どうしよう。
「あぁもぅ! やるっきゃないでしょ、わたし!!」
自らを落ち着かせるために両頬をぱぁん、と叩く。
「さ、紗智?」
「亮平!」
「お、おぅ……」
「アンタ先に空港にいってて。八重ちゃんはわたしが絶対に連れてくるから」
「お、おい。それってどういう──」
「いいから心配しないで! それよりアンタは先に手続き全部済ませてて!!」
いうが早いかわたしは一目散に改札を駆け抜け、そのままの勢いで八重ちゃんの家まで走り出した。
ここから住宅街の抜け道を使えばそう遠くはない。
それから走りながら薫叔父さんに電話。
八重ちゃんを捕まえた後に車で空港まで向かうためだ。
もう一度電車を待ってたんじゃ到底間に合わない。
「もぅ、どうしたのよ八重ちゃん!」


