そう──“わたしたち”のはず、なんだけど。
「八重ちゃん、遅いねぇ……」
「メールは?」
もちろんとっくにしてる。
けれど返事はなし。
電話もしてみたけれど留守になるばかり。
「八重ちゃんにかぎって寝坊ってことはないと思うんだけど……」
そういえば。
「亮平、あれから八重ちゃんに告白、したの?」
そう聞くと、亮平は申し訳なさそうに頭をかいて、
「いやぁ……いざ告白するとなると、なかなか、ね?」
「なに、まだしてないの?」
「う……。面目ない……」
しょんぼりとする亮平にわたしはこれみよがしに、
「アンタねぇ、それじゃわたしの立場はどうなんのよ」
かつ盛大にため息をついてやった。
まったく。
普段の大事なところじゃ頼みもしないのにスッ、と前に出るくせに。
でも、そうなると八重ちゃんは八重ちゃんでまだ告白してないみたいね。
「ちゃんと、するよ。大丈夫」
「あったりまえでしょ……って、それにしても遅いなぁ」
いい加減きても良い頃なんだけど。
むしろそろそろこないと電車が出てしまう。
そのときだった。
──チャ~ラ~チャ~ チャ~ラ~チャ~
わたしの携帯から『エーデルワイス』の着メロが流れた。
「八重ちゃんからだ!! って、えぇっ!?」


