そう、カレは──
「俺、今回そのバームクーヘン作ってさ……」
そのことに──
「料理がどれだけ大変なことかって、わかった……」
気付いてしまったのだ。
「そんで、やえっちが……“八重”がどれだけの想いで今までそいつを作ってくれてたのかも」
うん。
「今までさ、本当に、俺すっごい鈍感っていうか。や、たぶん気付かないようにしてたんだと思う」
うん。
「もし、そのことに気付いたら一気に3人の関係が崩れちゃいそうで、さ。だから八重が作ってくれてた料理に“うれしい”って気持ち“しか”出せなかった」
うん。
「でも、たった1回作るだけでもこれだけ大変なのに……八重はずっと、ずっと前から作り続けてくれてて……」
うん。
「もちろん、それだけが理由じゃないんだけど」
うん。
「ともかく、その想いに答えを返すことを怖れてた俺は……ホント、すっげ最低なヤツで」
うん。
「だから──俺」
うん。
「八重に、俺から“告白”しようと思うんだ」


