「バーム、クーヘン……」
四角いダイス状にカットしたそれはまぎれもなくあのバームクーヘン。
「薫おじさんにさ、教えてもらったのよ」
やっぱり。
じゃぁあのときのはこれを教えてもらうために。
「でも、どうして?」
そう尋ねると、亮平は照れくさそうに「いや、ね」と鼻の頭をかいて、
「俺がさ、今回のこと決められたのって紗智のおかげだから。そのありがとうの気持ちをさ、形にしたくて……」
そんな。
そんなこと……。
「大好物だろ?」
「あったりまえよ。バームクーヘンはわたし、の血液なん、だか、ら……」
亮平の気持ちがうれしくて、うれしくて、うれしくて、また泣いてしまいそうになる。
こんなサプライズ、卑怯だよ。
感動しないわけがないじゃない。
部屋越しでなかったら、きっとわたし抱きついてた。
今ほどカレの胸に顔をうずめたいと思ったことはない。
(でも……)
そう──“でも”、だった。
例えようがないくらいうれしい反面、わたしは気付いた。
“それ”を予感してしまった。
亮平のやさしさがあたたかければあたたかいほど。
このプレゼントが愛おしければ愛おしいほど。
だから、


