けれど自然な雰囲気だからこそ、
「まったく。卒業後に帰ってきたら紗智だけまだ高校やってましたとかやめてくれよ?」
「だったら──しっかり勉強の仕方教えてよね」
思わず、
「だったら留学なんてしないでよ」
といいそうになってすんでのところでいい換える。
気付かれなかったかな?
大丈夫、だよね?
せっかくの楽しいひとときを不用意な言葉で壊したくなんてない。
「ちょっと休憩にしよっか」
だから八重ちゃんの提案に、
「さんせー!」
と、すぐさま飛びついた。
「ちょうどよかっよ~。これ、この前薫おじさまに教わって部で作ったの」
「わっ!? 何コレ!」
「お。んまそ~」
透明なグラスに入っていたそれはクラッシュしたゼリー。
薄く黄味を帯びたそれの上にはホイップした生クリームとミントの葉がちょこん、と乗っかっていた。
「保冷材でしっかり冷やしてあるから。どうぞ召し上がれ」
「いっただきまぁ~す」
「っただきや~す」
よっく冷えたグラスを中指と親指でつまんでスプーンを差し込む。
ゼリーはクラッシュされてるから弾力を感じさせずスッ、と入っていったけれど、口に入れて舌と上あごで軽く押さえた瞬間、
──るるんっ
と、程好い食感が。
「あ、すごいさっぱりしてるねコレ」
「グレープフルーツと……レモンか?」
「正確にはレモングラスっていうハーブなの。それを煮出してたところにグレープフルーツの果汁とゼラチン、グラニュー糖を加えて冷やせば出来上がり」
レモン果汁を使うと酸味がきつくなり過ぎるからなんだそうな。
なるほど。
しかも生クリームがとってもやさしい甘さにしてくれて、ミントのおかげで爽やかさもぐっ、と増してる。
「おいひ~」
「やえっちはホント料理の天才だな」
「そ、そんなことないよ~。師匠がいいだけ」
あ~顔を真っ赤にさせちゃって。
ふふふ。


