「どうせ「だから子供なんだ」って思ってるんでしょ?」
そういった直後。
わたしはさっ、と血の気が引くのを感じた。
貧血じゃない。
「あ、の……」
草にぃの表情を見たからだ。
「草太、さん?」
八重ちゃんも、草にぃが発する冷たい空気に動揺して声が震えている。
鬼の様な形相をして激しく怒りをあらわにしてるわけじゃない。
奥歯をこすり合わせて口を歪めているわけでもない。
無表情。
けれどその冷めた目が放つ視線はまるで極限まで細く硬く打ち叩いた針のよう。
それがわたしの瞳を貫き、決して視線を外さないよう凍った空気に縫いつける。
無表情であるにもかかわらず、こんなにも怖いと思う草にぃは見たことが、ない。
「あのな……」
抑揚のない声。
感触なんてないはずなのに、首がゆるやかに締めつけられるかのよう。
「つい、さっき、いったよな? おまえらの気持ちもわからんでもないって」
「…………」
返事すらままならない。
だから代わりに、どうにか頷く。
「感情的になるなとはいわねぇよ。けどな……」
草にぃはゆったりとした動作で腕組みをし、ちょっとだけ間を置いた後、
「“子供”って言葉を“いいわけ”にして、気付こうとするのを放棄するってぇのは……気に入らねぇなぁ……」
その言葉にわたしは胸を突飛ばされ、思わずよろめいてしまった。


