そう。
あぁそう。
わかった。
もういい。
こうなったら仕方ない。
本当は“コレ”だけは使いたくなかったのよ?
でも駄目ね。
うん。
強情な草にぃが悪い。
素直に吐いてしまわなかったのが、悪い。
もし、これをまゆねぇが知ってしまったら……。
あまりの恐ろしさにツッ、と冷や汗が背中を伝う。
けれどもはやわたしには“コレ”以外に手はなかった。
神の采配にしてはいささか度が過ぎる気もするけれど。
草にぃが賢明であることを切に願う。
この場ですべてが収まることを。
悪魔のような一手を打つわたしこそが、誰よりもそれを祈り、神の慈悲を乞う。
すでに冷めた珈琲をゆっくりと、ひどくゆっくりと、飲み干す。
──ことん
罪はわたしが生むのではないわ。
あなたが、自らの手で取り上げたの。
いやに重く感じる口を、わたしはこじ開け──そのひとことを自らのコップにそそぐようにして、つぶやいた。


