「あ~。っとだなぁ~。その~うぅ、まいったなぁ……」
秘密にすることをよほど固く約束したのか「あ~う~」と唸るばかりで一向に口を割ろうとしない草にぃ。
と、そこに、
「こらこらおまえたち。まずは接客が第一だろうが」
休憩室の方から苦笑いを浮かべながら叔父さんがやってきた。
「でもっ──」
「ここはお客様のためにある場所だ。おまえの家じゃない。わかるな?」
食い下がろうとするわたしをぴしゃりっ、とたしなめる。
う……。
確かにその通りだ。
いつものクセを出して良い場所じゃない。
わかってる。
わかってるけど、でも……。
あんな大きな隠し事してたのに、まだこそこそと何かをしている亮平が、どうしても許せない。
カレのことだから何か理由があるのだろうけれど。
だからって、もうこれ以上突然の哀しい衝撃なんて、いらない。
「ふぅ……」
うつむくわたしの耳に聞こえたのは叔父さんのため息。
怒られる。
そう思って身を強張らせ──
「まぁ。休憩室は……お客様のためにある場所じゃぁないなぁ……」
「あ……」
はっ、として顔を上げると叔父さんは「仕方ないなぁ」という顔。
それ以上は何もいわなかったけれど、わたしは叔父さんにぎゅっ、と抱きついて、
「ありがと。大好き、薫叔父さん」
「やれやれ、やっぱりおまえさんはまだまだサチ坊だな」
「っもぅ。草にぃ!」
叔父さんの胸を軽く叩いてから、視線とあごの動きで草にぃに「ちょっときなさい」と合図を送る。
「はぁ……。へいへい」
観念したのか、頭をかきながら素直にそれに従う草にぃ。
「八重ちゃんも」
「う、うん」
さぁて、尋問の開始だ。


