わたしにはわたしの。
八重ちゃんには八重ちゃんの。
亮平には亮平の。
どれが優れてるわけじゃなくて、どれが劣ってるわけでもなくて。
比べられない、比べるものじゃない。
人は誰しも、オンリーワン。
だから人は、その人がいなくなると寂しくてたまらなくなるんじゃないかな。
そりゃ嫉妬することはある。
誰かと比べたくなってしまうことだってある。
だって誰かを、何かと自分を比較しなきゃ今の自分の居場所がわからないから。
でもそれは立っているその位置を知るためにあるのであって、自分の価値を決めるためにあるものじゃない。
じゃなきゃ、胸を張って八重ちゃんと亮平を取り合うことなんて出来やしないもの。
「前に、叔父さんにいわれたことある」
「薫おじ様?」
「うん」
高校受験の志望校を八重ちゃんたちがわたしに合わせてくれたことに自己嫌悪に陥ったときのこと。


