ずるい。
そんな顔されて、今ここで告白なんてしたらただのみっともない女じゃない。
わたしたちはもうずっと、幼馴染みであり、親友だったのだから。
送り出すしか、出来ないじゃない。
「留学っていっても、1年間とかなんでしょ? じゃ、来年には帰ってくるのよね?」
確か交換留学は期限が決まってたはずだ。
学生生活の1年は決して短くはないけれど、それでも一緒の時間は作れ──
「いんや。高校はあっちで卒業しようと思ってる」
「え?」
「私費留学ってのにしようと思ってさ。それだと基本的に期限がないのよ」
そんな……。
愕然とするわたしを知ってか知らずか、さらに追い打ちをかける亮平。
「あっちに渡るのは夏休み前にしようと思ってる。てか今日正式にそのプランでエージェントと契約してきた」
昼で早退したのはそのためだったらしい。
「交換留学と違って編入時期もわりとフレキシブルだし、試験もないしねぇ。後はビザの申請くらいかなぁ」
止めるも何も。
もうそこまで決まってるなんて。
しかも夏休み前?
せめてお別れ前に思い出作りとか、そういうのも、なし?
そんなわたしの動揺を見透かすように亮平は、
「行くなら、徹底的に今までの依存から離れようって思ってさ。ホントは俺も海とか、また3人で行きたかったけど……」
ふっ、と眉根を寄せて苦笑いをすると、
「思い出に甘えたくないから」
そういった。


